コロナ対策に留意した老人ホーム
コロナ対策として、応接室を「居室」の形状に変更し、外部から直接出入りできるモデルルームにし、入居希望者の内覧を可能としてあります。そして、地域交流スペースにガラス可動パーティションを追加変更し、コロナ禍でも入居者とご家族との面会が可能となっています。
建築概要
構造 | RC造 地上5階建て |
延床面積 | 3,552.34㎡ |
主要用途 | 有料老人ホーム |
場所 | 川崎市中原区今井上町 |
竣工年 | 2021年8月 |
運営会社 | 工藤建設株式会社 |
有料老人ホーム
コロナ対策に留意した老人ホーム
コロナ対策として、応接室を「居室」の形状に変更し、外部から直接出入りできるモデルルームにし、入居希望者の内覧を可能としてあります。そして、地域交流スペースにガラス可動パーティションを追加変更し、コロナ禍でも入居者とご家族との面会が可能となっています。
構造 | RC造 地上5階建て |
延床面積 | 3,552.34㎡ |
主要用途 | 有料老人ホーム |
場所 | 川崎市中原区今井上町 |
竣工年 | 2021年8月 |
運営会社 | 工藤建設株式会社 |
計画地は、美しく進化し続ける街、武蔵小杉駅から徒歩10分ほどで、春になると桜がきれいに咲く今井上町緑道(二ヶ領用水)沿いに位置する。
本プロジェクトは、クライアント(現 当主)が15代受け継いだ1,300坪の畑をどのように有効活用すべきかとの話から始まった。立地柄、分譲マンションにする計画が多い中、クライアントは、「地域の方々と、この土地にとって最も良い利用方法は何なのか?」を長い間悩み、考え抜いた結論が高齢者施設であった。クライアント、資産コンサルと共に、民間老人ホーム事業者12社をピックアップし、そのうち数施設に足を運び、施設の空気を肌で感じ、スタッフさんの働き方、表情を見させていただいた上で、事業者を選定とした。1,300坪の半分の敷地を本計画に使用。残り部分にはクライアントの自宅と音大生をターゲットとした木造3階建ての防音室完備のアパートを計画し、先行して建築した。
計画地の北側は、2階建ての住宅地ということもあり、可能な限り計画建物は南面に寄せ、北側の空きスペースを確保し、周辺環境への圧迫感を軽減した。ファサードデザインは、伝統的な格子のモチーフを打放しコンクリートでリズミカルに表現した。
基準階のゾーニングは、入居者が日中のほとんどの時間を過ごす食堂をコアとした。その食堂は緑道沿いにあり、窓越しに四季を感じられ、人の流れを見渡せる。また、窓を縦に大きくすることにより、どの階からも武蔵小杉の象徴のタワーマンションのビル群が眺望できる。
本プロジェクト進行中に、台風19号により武蔵小杉駅周辺は冠水災害を受けた。
そこで浸水災害を想定し、東電キャビネットを当初より1m程度高い位置に設置変更し、付近の河川水位の上昇による災害が発生した場合でも、建物の一次電源部が浸水するリスクを低減できるようにした。
また、災害時の停電に備えて、食堂の照明、一部廊下の照明を「防災設備回路」として1系統にまとめ、停電時ポータブル電源からの電源供給を可能とした。さらに、将来対応で駐車場にEV充電用のコンセントを設置し、「防災設備回路」にEV車からも電源供給ができるようにした。
コロナ対策は次のように盛り込んだ。
応接室を「居室」の形状に変更し、外部から直接出入りできるモデルルームとし、入居希望者の内覧を可能とした。そして、地域交流スペースにガラス可動パーティションを追加変更することで、コロナ禍でも入居者とご家族との面会が可能となった。